高校の友達の体験
かなり田舎の彼女の家へ毎夜深夜に侵入していた。
その日も陸上部のA君は家族が寝静まるのを
近くの神社で待っていた。
夜の11時ころになっていましたが彼女からはまだ合図がありません
季節は秋から冬にかわろうとしていました
その日はかなり寒かったようです
いまかいまかと寒さをこらえて待つ彼の足元へ
転々と毬が転がってきたそうです
?
不思議に思った彼は毬を手にしました
ふっと顔をあげると寝巻き姿の小さな女の子がいました
「これ君のかい?」
うなずく女の子
「こんな時間になにしているの?」
おうちにだれもいないの
「お家はどこ?」
おじいちゃんが迎えにくるまでまってるの
「?」
おかあさんも来るはずだから一緒に居ていい?
可愛そうに思えた彼はその子とお迎えを待ったそうです
「この鞠手作りだね、だれが作ってくれたの?」
おかあさん
この着物もそう
「!」
そのとき彼は気づきました
この子は違う世界の子だと
その寝巻きが絣の着物だったんです
「やさしいおかぁさんだね、
すこしこの毬であそぼうよ」
それから数分遊んだのですが
転がった鞠を拾って振り返るとその子は居なかったそうです
彼女にそのことを伝えました
「あの神社で見たひとは何人もいるけど
この土地に関係があることは
聞いた事が無い
その毬はどうするの?」
翌日神社の社主に話しをして毬を渡したそうです
社主は見たことが無いそうなのですが
誰もいない神社で毬と下駄の音はよく聴くと言うことでした
今もその話を思い出すと可愛そうになります
もう
迎えに来てくれたのかなぁ・・・
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